バンコクのタニヤ通りはなぜ日本人が多い?成り立ち・歴史から現在の雰囲気まで解説
「バンコクに日本人街があるって本当?」
初めてバンコクを訪れる人なら、そんな疑問を持つかもしれません。
実際、バンコクには日本人が多く暮らしているエリアがいくつかありますが、その中でも昔から「日本人街」として知られてきたのがシーロム地区のタニヤ通りです。
通りを歩いていると、日本語の看板が並び、日本食の店があり、店員さんから日本語で声をかけられることも。
「ここ、本当にタイなの?」
と思ってしまうくらい、日本語が身近に感じられる場所です。
では、なぜタニヤ通りには日本人向けの店がこれほど集まったのでしょうか。
その理由は、単純に「日本人旅行者が多いから」ではありません。
実は、タニヤ通りには日本企業や日本人ビジネスマンが集まってきた歴史があり、その需要に合わせて日本食店やバー、カラオケなどが増えていったという背景があります。
今回は、そんなタニヤ通りの場所や歴史から、なぜ日本語が飛び交うのか、昼と夜でどう雰囲気が変わるのかまで、初めて行く人にも分かりやすく紹介します。
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タニヤ通りはどこにある?
まず、タニヤ通りがどこにあるのか確認しておきましょう。
タニヤ通りは、バンコク中心部のシーロム地区にあります。
シーロム通りとスラウォン通りを結ぶ、全長約200〜300mほどの比較的短い通りです。
アクセスはかなり簡単。
最寄り駅は、
- BTSサラデーン駅
- MRTシーロム駅
です。
特にBTSサラデーン駅からはタニヤ通りまで歩いてすぐなので、初めて行く人でも比較的迷いにくい場所です。
タニヤ通りの入口付近にはタニヤプラザもあり、駅から向かうと日本語の看板が目に入ってきます。
「タニヤってどこ?」
と迷ったら、とりあえずBTSサラデーン駅を目指せばOKです。

タニヤ通りの歴史は1970年ごろから始まった
現在のタニヤ通りを知るには、少し歴史をさかのぼる必要があります。
タニヤ通りの発展の大きなきっかけになったのが、1970年に開業したタニヤビルです。
タニヤビルは、タイ側のソンブンタム家と日本の住友不動産による合弁事業として始まり、日本企業などが入るオフィスビルとして発展しました。
当時のバンコクでは、日本企業の進出が進み、日本人駐在員やビジネスマンも増えていきました。
そこで必要になったのが、
「日本人が仕事のあとに食事できる場所」
「日本語で利用できる店」
「日本人同士で付き合いができる場所」
です。
その需要に応えるように、タニヤ周辺には日本食店や飲食店などが集まっていきました。
つまり、タニヤ通りは最初から「日本人街を作ろう」としてできたというより、日本企業と日本人ビジネスマンが集まったことで、日本人向けのサービスが自然に増えていったと考えると分かりやすいです。

なぜ日本語がこんなに飛び交うの?
タニヤ通りを実際に歩くと、ここが普通のバンコクの通りとは少し違うことに気付きます。
看板に日本語が多い。
日本食の店が多い。
そして、日本語を話すスタッフも多い。
その理由は、長年にわたって「日本人をターゲットにした商売」が集積してきたからです。
日本企業の駐在員や出張者が増える。
↓
日本人向けの飲食店ができる。
↓
日本人が利用する店が増える。
↓
日本語を話せるスタッフが必要になる。
↓
さらに日本人向けの店が集まる。
この繰り返しによって、タニヤ通りには日本語を使う環境ができあがっていきました。
実際、タニヤ通りの看板を調査した研究でも、日本語だけの看板や日本語・英語の併記が多く、日本人ビジネスマンを主な顧客とする商業エリアだったことが確認されています。
だから現在でも、
「タイ語が全然分からないから不安」
という日本人旅行者でも、比較的歩きやすい場所なんです。
日本食レストランが多いのもタニヤらしさ
タニヤ通り周辺には、日本食を扱う飲食店が多くあります。
居酒屋、寿司、ラーメン、焼肉など、日本人が普段食べ慣れている料理を探しやすいエリアです。
タイ料理を食べたい人にとっては「せっかくバンコクに来たのに日本食?」と思うかもしれません。
でも、長期滞在している日本人にとっては、日本食が食べられる場所が近くにあることはかなり重要。
そのため、日本人向けの飲食店が集まり、それがまたタニヤの特徴になっていきました。
旅行者にとっても、
「タイ料理ばかりでちょっと疲れた」
というときの選択肢になります。
また、日本語が通じやすい店も多いため、海外旅行に慣れていない人には利用しやすいエリアです。
タニヤ通りといえば夜のカラオケ・バー
ここからは、タニヤ通りの夜について。
タニヤ通りは、昼間と夜でかなり雰囲気が変わります。
タイ国政府観光庁も、タニヤ通りとパッポン通りを、カラオケやバー、パブなどが集まる外国人ビジネスマン向けのナイトライフエリアとして紹介しています。
夜になると看板が明るくなり、バーやカラオケ店が営業を始めます。
日本人向けのカラオケ店が多いのもタニヤの大きな特徴。
ただし、ここでいうカラオケは、日本のカラオケボックスとは少しイメージが違います。
お酒を飲みながら会話やカラオケを楽しむタイプの店が多く、日本の接待文化とタイの夜の文化が混ざったような独特のスタイルです。
日本人ビジネスマンが仕事終わりに利用してきた歴史があるため、日本語で接客できるスタッフがいる店も少なくありません。
タニヤ通りが「日本人街」と呼ばれる理由には、この夜の文化もかなり大きく関係しています。
ただ、夜の店は料金システムやサービス内容が店によって異なるため、初めて入る場合は料金を確認してから利用するのがおすすめです。
「何が含まれている料金なのか」
「時間制なのか」
「追加料金があるのか」
などを最初に確認しておくと安心です。
夜のタニヤは独特の雰囲気がありますが、タニヤ通りそのものは短いので、まず歩いて雰囲気を見てから入る店を決めるのもいいでしょう。

タニヤでは「日本のカラオケ文化」が根付いた
タニヤの夜を語るうえで面白いのが、カラオケ文化です。
タニヤ通りは、タイにおけるカラオケ文化の発展と深い関係がある場所としても知られています。
1980年代ごろ、日本人向けのクラブなどでカラオケが使われるようになったとされ、その背景には、生演奏のミュージシャンを雇うよりもカラオケ機器を使ったほうが営業しやすかったという事情もありました。
こうして、日本人向けの夜の店とカラオケが結びつき、現在のタニヤらしい夜の文化につながっていきました。
つまり、
「日本人が多いからカラオケ店がある」
だけではありません。
日本人ビジネスマンが集まった歴史と、日本から持ち込まれた飲食・接待・カラオケ文化が長い時間をかけて組み合わさった結果が、現在のタニヤ通りなんです。
昼間のタニヤは意外と普通のビジネス街
夜のイメージが強いタニヤですが、昼間に行くと印象がかなり違います。
ネオンは消えていて、普通のビジネス街に近い雰囲気。
周辺では会社員が働き、日本食店でランチを食べる人の姿もあります。
タニヤプラザにはゴルフ関連の店舗などもあり、夜遊びだけを目的にする場所ではありません。
タイ国政府観光庁も、近年は女性客が屋台で買い物をしたり、マッサージを楽しんだりするなど、タニヤ・パッポン周辺が昼間から楽しめるエリアになっていると紹介しています。
なので、
「夜のタニヤはちょっと怖そう」
という人は、まず昼間に歩いてみるのがおすすめ。
日本語の看板を探しながら街歩きするだけでも、なかなか面白いですよ。

昼と夜ではこんなに違う
タニヤ通りは、時間帯によってかなり表情が変わります。
| 時間帯 | 雰囲気 |
|---|---|
| 朝 | 静かで普通のオフィス街 |
| 昼 | ランチをする会社員やビジネスマンが多い |
| 夕方 | 飲食店や夜の店が営業準備を始める |
| 夜 | ネオンが点灯し、バー・カラオケなどが賑わう |
「タニヤ=夜の街」というイメージだけで行くと、昼間の静けさにちょっと驚くかもしれません。
逆に、昼と夜の両方を見てみると、この街がどのように変化するのかが分かって面白いです。
日本人旅行者がタニヤに行くメリット
タニヤ通りは、日本人旅行者にとって意外と便利な場所でもあります。
日本語が通じやすい
海外旅行で困るのが言葉の問題。
タニヤ周辺では日本人向けの店が多いため、日本語対応している店を見つけやすいです。
初めてのバンコク旅行でも比較的利用しやすいでしょう。
日本食が恋しくなったときに便利
タイ料理を楽しむのもいいですが、数日間ずっとタイ料理だと、
「ちょっとラーメン食べたい」
「白いご飯が食べたい」
となることもあります。
そんなときにタニヤ周辺は便利。
BTSとMRTの両方からアクセスできる
BTSサラデーン駅とMRTシーロム駅が近いため、観光の途中でも立ち寄りやすいです。
初めてタニヤに行くなら知っておきたいこと
タニヤは比較的コンパクトなエリアなので、初めてでも歩きやすいです。
ただし、夜は客引きなども増えるため、自分の目的をはっきりさせておくと安心です。
「日本食を食べたい」
「街の雰囲気を見たい」
「カラオケに行ってみたい」
など、目的を決めてから歩きましょう。
特に夜のお店に入る場合は、料金システムを事前に確認すること。
日本語が通じるからといって、料金まで日本と同じ感覚とは限りません。
また、財布やスマートフォンなどの貴重品は通常の海外旅行と同じように管理しましょう。
タニヤ通りだけでなく周辺も歩いてみよう
タニヤ通りを訪れるなら、周辺のシーロムエリアも一緒に歩いてみるのがおすすめです。
近くにはパッポン通りもあり、こちらもバンコクを代表する夜のエリアのひとつ。
一方で、シーロムはビジネス街としての顔も持っているため、少し歩くだけで高層ビル、飲食店、屋台、寺院、ショッピングスポットなど、いろいろなバンコクの表情を見ることができます。
タニヤだけを目的にするより、
「シーロムを散策して、夕方にタニヤへ」
という流れにすると、昼と夜の違いも楽しめます。

今のバンコクの「日本人街」はタニヤだけではない
ここは少し補足しておきたいところです。
現在、バンコクで日本人が多く暮らしているエリアとしては、スクンビットのプロンポン、トンロー、エカマイ周辺なども有名です。
そのため、今のバンコクで「日本人街」と聞いて、必ずしもタニヤだけを指すわけではありません。
近年の日本人居住エリアという意味では、スクンビット周辺の存在感も大きくなっています。
一方、タニヤは「昔から続く日本人向けの商業・飲食・夜の街」という独特のポジションがあります。
2025年にもタイの英字メディアがタニヤを「リトル・トーキョー」として取り上げており、かつての日本人街としての歴史が今も残っていることが分かります。
だからタニヤは、単に日本人が多い場所というより、
「日本人とバンコクの歴史が見える場所」
として歩いてみると面白いエリアです。
タニヤ通りは「日本人が作った街」ではなく「日本人との関係で育った街」
ここまで見てくると、タニヤ通りに日本人が多い理由が少し分かってきます。
1970年ごろにタニヤビルができる。
↓
日本企業や日本人ビジネスマンが集まる。
↓
日本人向けの飲食店が増える。
↓
日本語を話せるスタッフが必要になる。
↓
日本食やカラオケなど、日本人向けのサービスがさらに増える。
↓
長い年月をかけて「日本人街」として知られるようになる。
こう考えると、タニヤ通りの日本語の多さも納得できます。
そして面白いのは、それが現在も完全には消えていないこと。
バンコクの街がどんどん変化していく中でも、タニヤには昔からの日本人向け文化が残っています。
まとめ
「バンコクに日本人街があるって本当?」
その答えのひとつが、シーロム地区のタニヤ通りです。
タニヤ通りはシーロム通りとスラウォン通りを結ぶ短い通りで、BTSサラデーン駅やMRTシーロム駅からアクセスできます。
その発展の大きなきっかけになったのが1970年のタニヤビル。
日本企業や日本人ビジネスマンが集まったことで、日本食店や日本人向けのサービスが増え、日本語が使われる街として発展していきました。
現在のタニヤは、
昼はビジネス街・飲食街。
夜は日本語の看板が灯るバーやカラオケなどのナイトエリア。
という2つの顔を持っています。
夜のイメージが強い場所ですが、昼間に歩けば日本食店やゴルフ関連ショップなどを見ることもでき、シーロム観光の一部として楽しめます。
初めてバンコクに行くなら、夜だけではなく昼間のタニヤもぜひ歩いてみてください。
「なぜここだけ日本語がこんなに多いんだろう?」
と思いながら街を歩くと、ただの観光スポットではなく、バンコクと日本の長い交流の歴史が見えてきます。










