パタヤのサードロード沿い、ここを歩いている旅行者は少ない
パタヤの街を南北に貫く主要道路はいくつかありますが、観光客が日常的に利用するのは「ビーチロード」や「セカンドロード」がほとんどです。そのさらに一本山側(東側)を走る「サードロード(Third Road)」、正式名称「パタヤ・サーイ・サーム」をご存知でしょうか。
「パタヤには何度も行っているけれど、サードロードは車やバイクで通り過ぎるだけ」
「そもそもどこにあるのか、歩ける場所なのかも分からない」

そんな方も多いはずです。実際、サードロードを歩いている外国人旅行者の姿は、他のエリアに比べて極端に少ないのが現状です。しかし、そこには観光客向けの「作られたパタヤ」ではなく、地元のタイ人や長期滞在者が愛してやまない「本物のパタヤの日常」が息づいています。
本記事では、あえて「サードロードを歩く」という選択肢を提案します。人混みを離れ、驚くほど安いローカル飯や、穴場のカフェ、そして少しスリリングでディープな街並み。初めての方でも迷わず、かつ安全に楽しめるよう、サードロードの歩き方を徹底解説します。
パタヤには魅力的なスポットや美味しいグルメがたくさんあります。
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サードロードとは?パタヤにおける「境界線」のような場所
パタヤの街並みは、海に近いほど観光地化されており、山側へ行くほどローカル色が強くなります。サードロードはそのちょうど「中間地点」であり、観光エリアと居住エリアを分ける境界線のような役割を果たしています。
1. 観光客が少ない理由
サードロードを歩く旅行者が少ないのには、いくつかの理由があります。
- ソンテウのルートが限られている: ビーチロードやセカンドロードのように、10バーツでぐるぐる回る便利な循環ソンテウがほとんど走っていません。
- 歩道が歩きにくい: タイ全般に言えることですが、特にサードロードは歩道に大きな段差があったり、看板や街路樹が道を塞いでいたりと、徒歩移動には少々の根気が必要です。
- 目立つ観光施設がない: 巨大なショッピングモールや派手なゴーゴーバーはここにはありません。
しかし、これらの「不便さ」こそが、観光客を遠ざけ、結果として古き良きパタヤの価格帯と雰囲気を守っているのです。
2. サードロードの「北・中央・南」で変わる表情
サードロードは非常に長く、エリアによって雰囲気がガラリと変わります。
- 北パタヤエリア(ノースパタヤ寄り): 比較的落ち着いており、おしゃれなカフェや中〜大型のムーガタ(タイ式焼肉)店が目立ちます。
- 中央パタヤエリア(セントラルパタヤ寄り): 最も活気があるエリア。地元の食堂が密集し、夜遅くまで明かりが絶えません。
- 南パタヤエリア(ウォーキングストリートの裏手): 少しマニアックなバーや、長期滞在者向けの安いアパートが多く並びます。
徹底リサーチ!サードロードで訪れるべきローカルの名店
サードロード沿いには、派手な看板はなくとも「味」で勝負している名店がひしめき合っています。ここでは、特に日本人の口に合いやすく、かつローカル感を満喫できるお店をピックアップしました。

① 伝説の激旨カオマンガイ「ゴイ・カオマンガイ」
サードロードの北側に位置するこのお店は、お昼時には地元の人で行列ができるほどの人気店です。
ここの特徴は、なんといっても「鶏肉のしっとり感」。パサつきが一切なく、噛むたびに旨味が溢れます。また、セットで付いてくるスープが絶品。鶏の出汁が効いていて、これだけでご飯が進むほどです。
価格は普通盛りで50バーツ『約225円』前後。高級ホテルの朝食も良いですが、ここのカオマンガイを食べれば「タイに来て良かった」と心から思えるはずです。
② 圧倒的コスパのタイ式焼肉「ムーガタ」の聖地
サードロード沿いには、巨大な「ムーガタ(タイ式焼肉・鍋)」の食べ放題店がいくつかあります。
特におすすめなのが、地元の若者で溢れる「ジャンボ・ムーガタ」。200バーツ『約900円』程度で、豚肉、鶏肉、野菜、さらにはちょっとしたデザートまで食べ放題です。
炭火の熱気と、タイポップスが流れる賑やかな雰囲気の中で食べるムーガタは、まさにパタヤの夜の醍醐味。観光客向けのレストランでは決して味わえない「一体感」があります。
③ コーヒー好きが集まる隠れ家カフェ
最近のサードロードは、感度の高い若者が経営するスタイリッシュなカフェも増えています。
例えば、コンクリート打ちっぱなしの外観が目を引く「Jasmin’s Cafe」などは、本格的なエスプレッソが楽しめるだけでなく、タイ料理をモダンにアレンジしたメニューも豊富です。
散歩に疲れたら、冷房の効いたこうしたカフェで一休みするのがサードロード流の楽しみ方です。
サードロードを「歩く」ことで見えてくるもの
あえて徒歩で移動することで、車窓からは見えない小さな発見がたくさんあります。
- 職人たちの手仕事: バイクのエンジンをバラしている修理工、山積みのタイヤ、手際よくフルーツを剥く屋台の店主。
- 路地裏(ソイ)の魅力: サードロードから伸びる小さな路地(ソイ)を覗くと、色鮮やかな洗濯物が干されていたり、近所の子供たちが遊んでいたりと、生活の匂いが一気に濃くなります。
- 看板の面白さ: タイ語だけの看板、少し不思議な日本語が書かれたマッサージ店。これらもまた、歩いているからこそ目に留まる風景です。

避けては通れない「注意点」と「安全対策」
穴場感があって楽しいサードロードですが、初心者の方が一人で歩く際には、いくつか心に留めておくべきことがあります。
1. 交通安全は「日本以上」に意識する
サードロードは車の速度がかなり速いです。また、歩道が途切れている場所では、どうしても車道の端を歩くことになります。
- 後ろから来るバイクに注意: 特にタイではバイクが歩道や路肩を逆走してくることも珍しくありません。
- 横断歩道は「飾り」だと思え: 横断歩道があっても、車は止まってくれません。現地の人が渡るタイミングに合わせるか、車が完全に途切れるのを待ちましょう。
2. 夜間の一人歩きは「大通り」に限定
サードロード自体は夜遅くまで明るい場所が多いですが、そこから一本入った路地は街灯が少なくなることがあります。
- 深夜24時を過ぎたら歩かない: 酒場が閉まり始める時間帯は、人通りが激減します。無理に歩かず、配車アプリ(GrabやBolt)でバイクや車を呼びましょう。
- 野犬への対応: 昼間はおとなしい犬も、夜は縄張り意識が強くなります。もし犬に吠えられたら、走らずにゆっくりと立ち去ってください。
3. ひったくり対策
観光客が少ない分、歩いているだけで「目立つ」存在になります。カバンは必ずたすき掛けにし、車道側とは反対の手に持つようにしてください。スマホを見ながらの「歩きスマホ」も、周囲への注意が散漫になるため控えましょう。
初めてのサードロード散策:安心の3ステップ
「いきなりサードロードを全部歩くのはハードルが高い」と感じる方へ、おすすめのステップを紹介します。
- まずは「ボルト(Bolt)」や「グラブ(Grab)」で行きたい店へ直行する
いきなり歩くのではなく、まずは目的の食堂やカフェまで車で行ってみましょう。その周辺の雰囲気を確認するだけでも十分楽しめます。 - 夕方の「ゴールデンタイム」に歩く
17時〜18時半頃は、仕事終わりの地元の人で賑わい、屋台も活発になります。明るいので安心感もあり、サードロードが最も輝く時間帯です。 - セカンドロードからサードロードへ「横切る」
セントラルパタヤロード(カンパーン)などを経由して、セカンドロードからサードロードまで横に歩いてみてください。街の雰囲気がグラデーションのように変わっていくのが分かり、非常に面白い体験になります。

知っておくと得する!サードロードの「ワンポイント」
サードロードを楽しむための、初心者向け豆知識です。
- 小銭(20バーツ札や10バーツ玉)を多めに: ローカル食堂では1,000バーツ札を出すと「お釣りがない」と言われることがあります。事前にコンビニなどで崩しておきましょう。
- 指差し注文でOK: 英語が通じないお店も多いですが、メニューに写真があったり、店先で調理しているものを指差せば問題なく注文できます。
- 飲み物は持ち込み可能な店も: 非常にローカルな食堂では、飲み物はセルフサービスだったり、近くのセブンイレブンで買ったものを持ち込んでも怒られない(むしろ推奨される)場合があります。

まとめ:パタヤの深層へ。サードロードはあなたの好奇心を満たしてくれる
パタヤのサードロードは、決して「キラキラした観光地」ではありません。歩道はガタガタで、排気ガスの匂いがし、時には野犬に吠えられることもあるかもしれません。
しかし、そこには1杯50バーツのカオマンガイに笑顔をこぼす地元の人々の生活があり、ガイドブックには載っていない驚きと発見が詰まっています。
「普通の観光には飽きてしまった」
「もっとパタヤの本当の姿を知りたい」
そう思ったら、ぜひ一歩踏み出してみてください。サードロード沿いを歩ききったとき、あなたはきっと、今までよりもずっとパタヤのことが好きになっているはずです。
次回のパタヤ旅行では、ビーチサンダルを履き替えて、少しだけ「サードロード」を冒険してみませんか?








